メフィストフェレス/Mephistpheles

メフィストフォレス、もしくはメフィストとも。
地獄の大公の一人。
ドイツの伝説に登場する高名な悪魔であり、その名は「愛すべからざる光」「光を憎む者」を意味する。十六世紀の錬金術師ヨハン=ファウストと契約を結んだ。
「常に否定する霊」とも呼ばれる冷淡な皮肉屋であり、辛辣な道化師じみた性格。地獄の七代支配者の一人であるとも、サタンの代役を務めるとも言われる。
姿は直立したグリフォン、あるいはドラゴンに似ているとされ、大きな尖った嘴と翼を持ち、全身は黒く毛むくじゃらである。人間に化ける時もよく手入れされた山羊の様な顎ひげを生やした姿となるので、顔が尖っているという印象は変わらない。頭には一対の小さな角を生やし、足はロバの蹄となっている。背には蝙蝠の翼を持つが、これは見えない様に隠す事も可能。
「空飛ぶ魔神」とも呼ばれ、天に舞い上がっては神の取り決めを探る為、未来に通じている。天文学、占星術、気象学に関する知識も豊富。炎と幻の魔術に長け、その幻覚は視覚、聴覚、嗅覚等の五感に訴える究極の魔術である。
世界中のどこからでも望む物を一瞬にして取り寄せる事さえ出来ると言う。この素早さは人間の思考速度に匹敵すると自称する。
二頭の竜が引く馬車を持つ他、自ら羽のある馬となって人間を乗せる事もある。
また、人間の淫欲をも満たすとされる。

■契約
典型的な「魂の代償に願いを叶える」という契約を結ぶ。
伝承では契約後二十四年間に渡りあらゆる願いを叶えるが、契約が終わった後に魂を奪うという物だが、ゲーテの著作ではファウストがこの世界全ての快楽を満喫し、「時よ止まれ、お前は美しい」と満足の意を表明した時に魂を奪うとされている。
なお、ゲーテの著作ではファウストは死後、彼の愛した女性によって救われ、メフィストフェレスは天使にファウストの魂を奪われる。メフィストフェレスは神に人間(ファウスト)を誘惑して堕落させる事を許可されていたが、神が最終的にファウストが救われる人間である事を見越して誘惑を許可していた事を知り、舌打ちをする。
ただし、本来の伝承ではファウストは全身を引き裂かれ、その魂は地獄へ落ちる事となっている。契約から二十四年後の約束の日、ファウストの部屋を訪れた知人は血まみれの部屋とそこに散乱する二つの眼球と歯という凄惨な光景を目の当たりにする。

■天界への憧憬
メフィストフェレスは地獄に落ちた事を悔やみ、努力次第で天界へ行ける人間を羨んでいるとされる。
彼の弁によると、悪魔とて好き好んで地の底に落ちたのではなく、栄光に満ちた神の国へ戻りたいと考えている。しかし、自ら反逆したというプライドから神に許しを請う事も出来ず、屈辱を耐え忍び、全ての罪が許されるという最後の審判を待ち望んでいるとされる。

■自作での扱い
「十九祖」第九位“博士”ヨハン=ファウストの契約者。
あらゆる知識を得たいと願う彼に力を与えたが、その後紆余曲折あってファウストの魂を奪う事を諦め、彼の悪友となった。どちらかと言えば善人。

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