『DEATH』


少年は平凡な人生さえおくれたら良いと思っていた。

少女は平凡な人生なんて終われば良いと思っていた。

少年は日常が好きだった。
期待以上に良い事が無くても、悪い事も起こらないから。

少女は日常が嫌いだった。
期待以上の悪い事は無くても、良い事も起こらないから。

少年は誰にも助けを求めなかった。
抱える痛みは、一人で解決するべきだと思ったから。

少女は誰かに助けを求めたかった。
抱える痛みは、誰かと解決するべきだと思ったから。

少年は一人だけでも進んでいけると思っていた。
今までだって、そうだったから。

少女は一人だけでは進めはしないと思っていた。
今までだって、そうだったから。

少年は、一人で生きると決めた。

少女は、一人は止めると決めた。



だから、放っておけなかった。
互いに、相手が孤独であると…そう、気付いてしまったからには。

1−1

戻る