朝比奈西幼稚園騒動顛末記

運動場も兼ねた大きな庭に、夏場には涼しげな木陰を作るであろう一本の大樹。園舎を囲む植え込みには四季折々に花が咲き乱れ、『汝を癒してくれようぞ』という気概に溢れている。そんな光景が見る者全てを萎縮させるが、それでもここは幼稚園なのであった。
何故なら、表札に『あさひなにしようちえん』と書かれているからである。子供でも読めるように、平仮名であった。優しい配慮である。
さて、そんな一応は平和の園で在るべき幼稚園であるが、この幼稚園が一筋縄でいく幼稚園では無い事程度、賢明なる読者諸氏ならば既にご推察戴けていると思う。もしご推察戴けていないとしても、それは決して貴君の頭の回転が遅いという事ではないので、安心して戴きたい。ちょっと他人と比べて血の巡りが悪いんじゃないかなあ、という程度である。大丈夫大丈夫。

物語は、この幼稚園に新任の職員が赴任した事から幕を上げる…

※注意※

この作品は『On The Edge』のセルフパロディーです。
『On The Edge』をお読みで無い方は、まずそちらから先にお読みになる事を強くお勧めします。それと共に、当作品は『On The Edge』本編における各キャラクターのイメージを完膚なきまでに破壊する可能性がある事をお断りしておきます。
以上の点を踏まえ、それでも構わないと仰られる方に限りお読み下さい。

第一話:到来―あどべんと―

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