『傷跡をたどれば』
製作/比良坂綾音
西暦2005年、冬。
白い闇に閉ざされた、小さな町。
雪の舞い散る、寒い空の下。
そして、二人は出会った。
平凡な人生の一コマかも知れない。
美しい歌劇の一場面かも知れない。
そんな些細な事は知らないけれど。
ただ、確かに二人は出会った。
人が出会うのは、
やがて来る別離のためなのか。
いや、そうで無いと信じたい。
せめて、あの人のいた証として。
せめて、自分のいた証として。
そう、あの日の証のためにも。
―――
Curtain rises.
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